銀座すゞ木|フランス料理とカクテルを楽しむ大人のお店/the 451th day

銀座の美味しい飲食店を巡るグルメブログ「銀座6丁目美食日記」451日目、本日はフレンチとカクテルの店「銀座すゞ木(すずき)」にお伺いしました。

場所は銀座7丁目、数奇屋通り沿い「東五ビル」の2階です。
東五ビルの2階
1階には銀座オーセンティックバーの名店「数寄屋橋サンボア」、有名ステーキ店「かわむら」などが入っている建物です。

店内は最大10席の弧を描いた優雅なカウンター席のみ。
銀座すゞ木
カウンターの向かいがキッチンになっており、料理は全て目の前で完成され、程よい臨場感も味わえます。ランチコースは¥6,500からありますが、本日は・季節のコース ¥13,000をお願いしました。

フランス料理シェフのご主人とバーテンダーのマダムのお二人で切り盛りされており、フランス料理とカクテルを合わせる面白いお店です。せっかくなのでカクテルもいただいてみました。

・レオナルド
レオナルド
イチゴとシャンパーニュのカクテル、柔らかい甘味と程よい酸味の軽いお味。

アミューズ・新潟県南魚沼産黒舞茸のタルト、豚肉のリエット
新潟県南魚沼産黒舞茸のタルト、豚肉のリエット
天然の舞茸に味が近く、栽培が非常に難しいという黒舞茸。味が濃くて美味しいです。

・自家製スモークサーモンのコンソメゼリー寄せ
自家製スモークサーモンのコンソメゼリー寄せ
赤と緑の色合いも綺麗な冷たい料理。まったりとした食感のサーモンとアボカド、爽やかなトマトのバランスが良いです。

・フォアグラのだし巻き卵
フォアグラのだし巻き卵 トリュフソース
フォアグラを巻いた卵焼きは初めてです!マデラ酒のトリュフソースと生クリームソースで。「銀座すゞ木」のスペシャリテは、説明不要の絶対美味しい料理です。

・銀座すゞ木特製 貝のスープ
銀座すゞ木特製 貝のスープ
昆布とカツオ出汁にハマグリ、シジミの出汁を加えたもの。胃の中が癒される滋味深いスープです。

・オゴダイのポワレ バルサミコ酢ソース
オゴダイのポワレ バルサミコ酢ソース
初めていただいた八丈島産のオゴダイ(ヒメダイ)、マダイよりスズキに近いシュッとしたビジュアルのお魚です。淡白な白身で、ソースの酸味が魚と野菜の甘味を引き立てているようです。

メインに合わせていただいたカクテルが・ジンリッキー
ジンリッキー
鹿児島県の小正醸造の「KOMASA GIN-ほうじ茶-」と、セミノールという柑橘を早積みしたジュースを合わせたもの。ほうじ茶の香りが意外に強くて驚きましたが、さっぱりとした中にお茶の香りが加わり面白い味です。

・ニュージーランド産仔羊ロースト
ニュージーランド産仔羊ロースト
クセ無く、とても柔らかいお肉で、ミントの香りのソースが爽やかです。あっという間に完食。

・カラスミパスタ
カラスミパスタ
お肉で終了と思ったので〆のパスタは嬉しく思います。安定のカラスミ、美味しいです。

・ほうじ茶のクレームブリュレ、コーヒー
ほうじ茶のクレームブリュレ、コーヒー
コーヒーは24時間かけて水出ししたもので、とても円やかなお味です。ほうじ茶のクレームブリュレも気が利いています。

フランス料理ですが、カクテルとの組み合わせがユニークで、基本的にお箸でいただくのも好みでした。鈴木シェフは料理と同様優しく親しみやすい方、隠れ家のような小さなお店ですが、リラックスできる雰囲気も魅力です。夜更けまで営業されているそうなので、また夜にバー利用でお伺いしてみたいと思います。ごちそうさまでした!

「銀座すゞ木(すずき)」について詳しくはウェブサイトをご覧下さいませ。

お立ち寄りの際はトリプルにも遊びに寄ってくださいませ。

銀座 大石|希望に溢れるカウンターフレンチ/the 445th day

銀座の美味しい飲食店を巡るグルメブログ「銀座6丁目美食日記」445日目、本日は前回に引き続きフレンチです。今年の料理業界を大いにざわつかせつつ2019年9月2日にオープンした期待の新店「銀座 大石」にお伺いしました。四ツ谷のフランス料理の名店「北島亭」から独立された大石義壱シェフのお店です。

場所は銀座2丁目、マロニエ通り沿いの新築ビル「マロニエ通り銀座館」の2階。1階に今年6月に復活した老舗ラーメン店「共楽」が入っているビルです。
マロニエ通り銀座館
外の路上に並ぶ大御所からの胡蝶蘭が壮観です。シェフ曰く「ひっそりオープンしました」が、全然密やかではありません。。。20時スタートなので2回転目かと思いきや1回転。明るい店内はオープンキッチンのカウンター12席、現在料理は・おまかせコース ¥24,500(サ別10%)のみです。まずはこちらから。

・北海道噴火湾産毛ガニとキャビアのグジェール
北海道噴火湾産毛ガニとキャビアのグジェール
お手をどうぞと乗せられた可愛い前菜。アボカドバターのアイス、キャビアは桜チップで燻製。アミューズから素晴らしいセンスとバランス感覚を感じさせる料理です。美味。

・バフンウニのコンソメゼリー寄せ、カリフラワーのムース
バフンウニのコンソメゼリー寄せ、カリフラワーのムース
北島亭のスペシャリテでもある料理ですが、アレンジが奮っています。余市の塩水バフンウニが絶品。牛出汁の代わりに日本料理の一番出汁、穂紫蘇を使って穏やかな香りと旨味。

・ボタンエビ寿司
ボタンエビ寿司
とても微妙(良い意味)で興味深い一品でした。どう見てもお寿司ですが、和酢の代わりに25年熟成バルサミコ酢を、ボタンエビは紹興酒ではなくマデラ酒でマリネ。上の緑はボタンエビの卵、玉ねぎのキャラメリゼのアクセント。完成度が上がれば新しい扉が開きそうな印象です。

・スッポンのコンソメスープ、サマートリュフ掛け
スッポンのコンソメスープ、サマートリュフ掛け
鶏ガラを使用し8時間かけて仕上げるそう。大石シェフの楽しいトークも冴え渡ります!滋味。

 続いてカウンターに置かれた箱の上にはホオズキ、稲穂、栗と秋の装い。
八寸
花より団子なので箱の中の料理が気になりますが、和食をイメージした八寸。随所に和食のテイストを取り入れています。

・八寸 パテドカンパーニュ、ヴェネト産ウサギのテリーヌ、キャロットラペ、オーストラリア産グリーンアスパラ、イチジク(福岡県産とよみつひめ)、ピクルス
八寸
ウサギのテリーヌは清潔感のある仕上げ、野趣味のあるアスパラが美味しい。

・公認フォアグラ栗最中
フォアグラ栗最中
大石シェフのご友人という和食店「銀座しのはら」でお馴染みの最中。パクりでなくもちろん公認です。提供の仕方まで研修したという最中は完璧。フォアグラを使わせたらフレンチのシェフは強い。ラム酒ゼリー、クルミのキャラメリゼ、生クリームを使用しデザートとしても通用しそうなお味。一口の絶佳。

巨大なヨーロッパを代表するセップ茸(イタリア語はポルチーニ)。
セップ茸
こうなりました。

・セップ茸のフライ
セップ茸のフライ
松茸フライに対抗。肉や魚にパン粉を付けてソテする料理ヴィエノワーズ仕立て、パン粉にチーズを合わせますが、キノコとチーズの組み合わせって絶対。旨いです。手前の柑橘は宮崎県産のヘベス(平兵衛酢)。優しい酸味と爽やかな香りで素材に寄り添います。そのままかじってみても美味しい。

続いての食材はコチラ。
愛知県一色産鰻
愛知県一色産の大サイズの鰻です。

大石シェフが絶対やりたかったという炭火焼きスペースで美味しそうに焼かれていきます。
愛知県一色産鰻の炭焼き
香りもたまりません。

・愛知県一色産鰻の白焼き ジャガイモ、パースニップ、藁燻製キャビアのピュレ
愛知県一色産鰻の白焼き ジャガイモと藁燻製キャビアのピュレ
途中で少し蒸しを入れ関東風と関西風の中間のようなフワカリ食感。ワサビで食べても良さそうですが、和食になってしまうのでソースはフレンチ。

料理はどんどん続きます。
オーストラリア産仔羊の岩塩包み焼き
北島亭でのスペシャリテ、オーストラリア産仔羊の岩塩包み焼き。作る過程で開催される大石料理教室も楽しい趣向でした。

・オーストラリア産仔羊の岩塩包み焼き、香草風味
オーストラリア産仔羊の岩塩包み焼き、香草風味
ドライトマトとオリーブのジュのソース、万願寺唐辛子添え。手前は蒸し焼き、奥はしっかり火を入れて脂を落としたペルシヤード(パセリ、パン粉、ニンニクを合わせた調理)仕立てで同じ素材で全く違う2種類の味わい。流石に完璧な火入れ、大石シェフが「羊嫌いの方に食べてもらいたい」というだけあり、羊らしさはありながら、クセなく旨味だけを残しています。美味。

さらに肉料理が続きます。
飛騨牛飛び牛ランプ
飛騨牛飛び牛ランプの塊です。飛び牛はA5ランクの中でも最高品質のもの。こちらも炭火で塊のまま焼いていきます。その前に口直し。

・松本産スイカのジュース、ライムのグラニテ
松本産スイカのジュース、ライムのグラニテ
北島亭ではデザートに冬でもスイカが出るのですが、こういうさり気ない一品に古巣への愛情と敬意を感じます。

・飛騨牛飛び牛ランプの炭火焼
飛騨牛飛び牛ランプの炭火焼
ランクの高い和牛は赤身といえども綺麗なサシが入っており旨味たっぷりで美味しい。しかもお代わり可能でした。最高。

続いてはご飯もの。
鮑のリゾット
発酵バターのブールノアゼット(焦がしバターのソース)と肝で仕上げています。豊潤な香りも素敵で、美味しいに決まっています。

・鮑のリゾット
鮑のリゾット
カボスの爽やかな香りで。はい、美味しいです。さらにさらに、まさかのもう一発ご飯もの。

・ランプのカレーライス
ランプのカレーライス
カレーは別腹。大盛り+お代わりもいただきてしまいました。お肉もしっかり入った軽やかですがコクのあるカレーです。美味。デザートもしっかり。

・フランス栗のモンブラン、紅あずまチップ、ホオズキのキャラメリゼ、マールのシャーベット
フランス栗のモンブラン、ホオズキのキャラメリゼ、マールのシャーベット
デザートは別腹。味の濃いシャテーニュ栗のペーストが幸せ。最後はキリッとした蒸留酒のシャーベットと美味しいコーヒーをいただきゆっくりさせていただきました。

銀座にカウンターのみのフランス料理店は少ないのでとても新鮮、そして北島亭の料理からは全く予想できないコース構成とシェフの軽妙過ぎるトークに対する驚きが素晴らしい。オープンして2週間ながら、どの料理もしっかりと腰が据わっておりシェフの感度の高さを感じます。基礎がしっかりしている方の料理はやっぱり美味しいです。

北島亭の料理(=大石シェフの料理)を食べて感激したことがきっかけで集まったという若い4人のシェフからも、料理が好きな気持ちが伝わってきて、この空間にいる皆が笑顔になれる、素晴らしい雰囲気。フランス料理、日本料理界の希望に溢れるとても良いお店です。

大石シェフ、銀座に来ていただいて本当にありがとうございます!またお伺いいたします。ごちそうさまでした!
銀座 大石

レストラン ラフィナージュ|目の覚めるタカラジェンヌなフランス料理/the 391th day

銀座の美味しい飲食店を巡るグルメブログ「銀座6丁目美食日記」391日目、本日はフレンチです。10月8日にオープンした「ラフィナージュ」にランチにお伺いしました。日本を代表するグランメゾン「銀座レカン」の6代目料理長を務めた高良シェフがオーナーシェフを勤めるフランス料理店です。

場所は銀座5丁目、あずま通り沿い、とても細長く見える新築ビル「GINZA A-5」の2階です。1階にはカリフォルニアワインの「ケンゾーエステイト」がオープンしています。

エントランスで想像するより店内はずっと広々、目前でオープンキッチンが楽しめるカウンター席にテーブル席数卓。レカンのイメージからすると驚きのかなりカジュアルでリラックスできる雰囲気です。

現在ランチは・おまかせランチコース ¥7,000(サ別10%, w/o tax)1種類のみ。まずはこちらから。

前菜1・24か月熟成のコンテチーズのグジェール、竹炭マカロンとニンジンのムース、パテドカンパーニュ

見た目はよくある普通なアミューズですが、何故かとても美味しい。パテドカンパーニュは一口サイズでも肉の旨味が口の中に広がります。

前菜2・ズワイガニ、カリフラワーのムース、甲殻類のエスプーマ

混ぜていただくととても美味しい。期待の高まる前菜2品でした。

パンは・バゲット、カンパーニュ

品質を保つためフランスから直送された巨大なエシレバターから落とされた一片がとても滑らかで美味。パンの食べ過ぎ注意です。

・トラフグとロックフォールチーズ

チーズの主張はごく控えめ、一歩過ぎればストレスのかかるギリギリの食感の素晴らしい仕上げ。カマの部分を唐揚げに仕立てるのが憎い。

・黒アワビのコンポートと秋トリュフのコンポジション

これも素晴らしい一皿。和食では定番のアワビ、肝ソースは、安易に日本の調味料に頼ることなく、フランス料理的。苦味は残しつつも非常にまろやかなため、他の食材との調和も抜群。シンプルなトリュフ卵をより奥深くいただけます。この感覚は凄い。

・長崎五島列島産スジアラのポワレ、ヴァンジョーヌソース

7kg近くあるスジアラ、厚くカットし、中はほとんど生という状態。皮目も非常に美味しい。そしてアルボワ ヴァン・ジョーヌ 2010 ジャック・ティソという黄色ワインを使ったソースも印象的。フュメ ド ポワソン、エシャロットなどを使った軽いものではあるのですが、ベースがしっかりしているせいかで重層的で存在感も充分。

・エゾ鹿のロースト、ポワブラードソース

付け合わせはアピオス(アメリカほど芋)、マッシュルーム、根セロリのピューレ。肉の切れが気持ちよいのは重厚感のあるナイフのせいだけではなさそうです。2歳の雌鹿のロース部分ですが、こんなに鹿らしい鹿肉をいただいたのは初めてかも。ソースも絶品!

・ピオーネとハチミツのグラスのラヴィオリ見立て

アイスの上には白ワインのゼリー、ヨーグルトのエスプーマ。デザートもこれくらいボリュームがあると嬉しいです。

最後は美味しい・小菓子 チョコムース、マカロン、フェナンシェ

・ハーブティー ペパーミントをいただきゆっくりさせていただきました。

高良シェフの料理は初めていただいたのですが、素晴らしい内容。クラシックなフレンチと比べ軽めではありますが、どの料理も奥行きがしっかりと感じられるのが見事。「美味しいものをちゃんと食べて来たシェフが、ちゃんと考えて作った、ちゃんとしたフランス料理」という印象を受けました。

ほとんどお話はできませんでいたが、シェフはスーツを着たら大学教授か学者にしか見えなさそうな上品で寛容な雰囲気で、ソースや付け合わせなど全てが綿密に考えられた気品の感じられる料理は当然ながら味も抜群です。またお伺いいたします。ごちそうさまでした!

お立ち寄りの際はトリプルにも遊びに寄ってくださいませ。

シェ イノ|フレンチの名店でマリアカラス /the 372th day

銀座の美味しい飲食店を巡るグルメブログ「銀座6丁目美食日記」372日目、本日はフレンチです。少し足をのばして京橋まで、フランス料理の名店「シェ イノ」にお伺いしました。井上旭氏がオーナーシェフをつとめるフランス料理の老舗です。

荘厳なエントランス。場所は東京メトロ京橋駅の近く「明治京橋ビル」の1階です。ドアを開けてすぐがウエイティングバー、奥がダイニング。これぞフレンチという華美な雰囲気、銀座レカン、アピシウスなどと同じ、今は少なくなってきているグランメゾンです。

ランチコースは¥5,840からありますが、せっかくなので一番上の・ランチコース ¥11,880(サ別13%)をお願いしました。まずはこちらから。

・新玉ねぎ コンソメのジュレ

甘くて美味しい新玉ねぎ。香りの良いコンソメジュレも効いています。

・オマール海老のガトー仕立て コート ドール風

見た目も綺麗な料理はこちらのスペシャリテ。キャベツで包まれたのはオマール海老と手長海老、野菜はなんと7種類も使われているそうです。上にはタラバガニのカクテル。4種類のソースが相まみえますが、甘味を引き立てる白いウニと貴腐ワインソースが肝です。

・鴨のフォワグラと胸肉の燻製の取合せ

・スズキ 帆立のムース はまぐりソース

貝類の芳醇な香りが素敵。上にはソラマメとアサリ。しっとりと仕上げられたスズキも美味しいです。

続いて予約時にお願いしていた楽しみのメイン!

・仔羊のパイ包み焼き マリアカラス風 +¥3,240

シェイノを代表する料理がこちら。井上氏がパリのマキシム ド パリでの修行時代、常連であったオペラ歌手のマリアカラスに因んで命名された逸品。羊の中央にフォアグラ、トリュフを入れたパイ包みで、火入れが非常に難しいそうです。パイ包みにより旨味が凝縮された柔らかな羊肉に、濃密で気高い香りのペリグーソースが絶品。

最後は楽しみな・デザートワゴン。

もちろん全部のせ。

パリブレスト、プリン、レモンのパウンドケーキ、フルーツタルト、チョコカシスケーキなど。

デザートワゴンは満足感あります。 最後は美味しい・コーヒーをいただいてゆっくりと。

メインのソースにしても思ったより軽めな仕上がり。時代によって味付けも変化させているそうです。久々のクラシックなフランス料理、堪能いたしました。またお伺いいたします。ごちそうさまでした!

フランス料理店「シェ・イノ」について詳しくはウェブサイトをご覧下さいませ。

お立ち寄りの際はトリプルにも遊びに寄ってくださいませ。