割烹 中嶋 |北大路魯山人の教えを受け継ぐ老舗日本料理店/the 587th day
銀座の美味しい飲食店を巡るグルメブログ「銀座6丁目美食日記」587日目、本日は和食、昭和6年(1931年)創業の老舗日本料理店「割烹 中嶋」にお伺いしました。
場所は銀座6丁目、すずらん通り沿い、ちなみに左端の存在感のある石柱には「従是くわんおん道」と書かれており、もともと和歌山県高野山にあったものだそうです。
現在の中島親方のご祖父様が、北大路魯山人の主催する「星岡茶寮」の初代料理長を勤めた後、開業されたことから、今でも魯山人と所縁のある日本料理店。店内には魯山人手彫りの扁額、陶磁器などが飾られており、目の保養に。本日は・唐津 ¥16,500 をお願いしました。
御通・干しナマコ、干し柿のみぞれ和え
コリコリしたイメージのあるナマコですが、自家製の干しナマコは極柔らか、ナマコの香りも豊かで、柿との組み合わせも素敵。
前菜・ほうれん草とヒラメの白和え、カズノコの粕漬け、車海老とイカの黄身酢和え
シンプルな料理の3点盛りですが、どれも滋味。お酒のアテにも最高です。京都伏見、東山酒造の「魯山人 特別純米酒」のお燗と一緒に。
御椀・鴨雑煮
関西風の白味噌仕立て、中にお餅、鶴に見立てた芽カブ、亀の形のニンジンなどおめでた尽くし。今年はお餅を全く食べなかったので嬉しい限り。鴨も旨み十分、白味噌のまったり優しい甘味に癒されます。
刺身・ヒラメ、イサキ、ヤリイカ
ヒラメは珍しいタタキのような仕上げ。年齢とともにイカがとても美味しく感じるようになりました。美味。
焼物・穴子カラスミ焼き
面白い料理、炭火で焼いた対馬産穴子にカラスミをたっぷり振りかけて。クセなく味わい深い穴子に、カラスミの塩味とコクがプラスされ、美味しくない訳はありません。
煮物・生たらこ、海老芋、ちぢみほうれん草
ねっとりとした食感の海老芋にたっぷり出汁を吸ったタラコ、生麩がとても美味しい。
変り鉢・毛蟹の宝楽焼き、キノコ餡掛け
焙烙(器の名前)を使った蒸し焼きにした料理、上にカニ味噌も。旨味の強い毛蟹にキノコの出汁も加わり味が非常に充実。間違いありません。
食事・土鍋ご飯
日の丸ご飯でも既に美味しそうですが、さらに一手間。
・梅雑魚ご飯
ジャコと青紫蘇、白ゴマを加えて出来上がり。ナメコの赤出汁、お新香と一緒に。ご飯の美味しさに加え、梅と紫蘇の香りと酸味が素晴らしい調和。絶対に美味しい薬味の組み合わせにご飯が進み、4杯お代わりいただきました。
水菓子・マスクメロン、とちおとめ、麗紅(れいこう)
最後は美味しいフルーツ3点盛りで。
見た目は控えめではありますが、素材の味をしっかり感じられる料理に大満足。前菜の3点盛りなど、シンプルな料理がとても美味しいというのが素晴らしい。中嶋親方もとても柔和で謙虚な方で、とても心地よい雰囲気の中、料理をいただけました。魯山人作の器を使って料理を楽しめる魯山人コースもいつかいただいてみたいです。ごちそうさまでした!
お立ち寄りの際はトリプルにも遊びに寄ってくださいませ。