銀座 志翠|静岡と春の恵を堪能/the 534th day
銀座の美味しい飲食店を巡るグルメブログ「銀座6丁目美食日記」534日目、本日は和食です。2020年9月に静岡県静岡市から銀座に移転オープンした「銀座 志翠(こうすい)」にお伺いしました。
場所は銀座6丁目、ギンザシックスの裏のビル「松岡銀緑館」の8階です。ちなみに「志翠」と書いて「こうすい」と読ませる店名は前田公志(こうし)親方のお名前と禅語の「松寿千年翠」が由来。店内は広々としたカウンター席6席と個室1部屋、本日は夜にお伺いして・おまかせコース ¥18,000(サ別5%, w/o tax)をお願いしました。
・うすい豆腐、車海老、岩茸
味も見た目も爽やかなエンドウ豆の豆腐から、岸壁に生える高級素材の岩茸は香り良く、プリプリで美味しいクルマエビのアクセント。
八寸・ノビルの松前漬け、のれそれ、三元豚と空豆、ホタルイカとウルイの酢味噌和え、あん肝、新ジャガチップ、鯛の手まり寿司、鯛子の昆布巻き
ホタルイカ、ウルイ、ノビルなど完全に春の装い。日本酒も磯自慢、白隠正宗、初亀など静岡の地酒が中心。お酒が進みます。
・ハマグリのくず椀
静岡産タケノコ、千切りのウド、菜の花、ホタテの菱餅。こちらも春を詰め込んだ椀。ハマグリの身も入っていますが、やはりお出汁が味わい深い。タケノコもエグミは全く無く小気味好い食感、菱餅と言っても真薯のような仕上げで崩しながら味変。
・閖上産赤貝、静岡産メジマグロ、鯛の白子
打って変わって力強いお造り。赤貝は宮崎県閖上のもの、コリコリした食感も軽快で旨味もたっぷり、下にヒモと珍味のワタも入っていました。つるんとした白子、メジマグロの素材感も素晴らしく、薬味の静岡県の新海苔を使った醤油もお店の個性が出ています。
・サワラの利休焼き、山菜、焼きタケノコ
ゴマを使った利休焼きのサワラにゴマだれ、サワラはふっくり、ゴマの甘みに山菜のほのかな苦味や力強さとの対比が良い。この食べ方も面白いですね。
・焼きスッポン
浜名湖の服部中村養鼈所のスッポン。コラーゲンたっぷりのエンペラに、肉の部分もコクがあり美味。八角の香りが食欲を刺激します。
・尾崎牛
下にワカメとタケノコ。尾崎牛は餡の効果も相俟ってごく滑らかに胃に落ちていきます。脂は乗っていますが、しつこさは全く無し。尾崎牛は、やっぱり上質なお肉ですが、何気にワカメがとても美味しい。
・タケノコのおこわ、桜エビのすり流し 自然薯とシマエビの真薯
今日の主役はタケノコでした。タケノコの器から気持ち良く穴子とアサリも入ったおこわが取り出せます。〆のご飯におこわを出す店ってあまり無い気がするので新鮮。静岡駿河湾名物、桜エビ凝縮のすり流しも濃厚で素敵。
・セトカのシャーベット
最後は美味しいミカンを贅沢にもシャーベットに、下にフレッシュなセトカも入っていました。
個人的に春は高級和食店の食材が弱い時期かと思っていますが、嫋やかな味付けながらも素材の組み合わせ方、豊富に使用された静岡食材、緩急を付けたコース構成で、しっかりとオリジナリティを感じる料理内容、後からじわっと幸せを感じられます。
期間限定かと思いますが、ランチタイムには尾崎牛のすき焼き、ミナミマグロの鉄火御前(要予約)も提供されているそうなので、今がチャンス。またお伺いさせていただきます。ごちそうさまでした!
お立ち寄りの際はトリプルにも遊びに寄ってくださいませ。